HOME > れいばんサンのひとりごと > 2022年11月6日号
れいばんサンのひとりごと
■野球はね 勝つことだけが 勝負じゃない
「戦争」というと、七十五年以上前の太平洋戦争を想起する。日本人にとっての戦争とはそういうものである。

戦争を知らない子供たちなどと歌われた当該人物たちも、今やすでに還暦に近いかあるいは過ぎている。

これは本当に心底、素晴らしいことである。

砲弾に触れることなく過ごせる日々が、80年近くもの時を経てなお続いていることほど尊いものはない。

平和というものを乱そうと考える者など少ない、と信じたい。

だが、ともすればその平和を手に入れるために武の力を使用せざるを得ないと考える者もいる。

自らの信念を貫こうとせんがために、唯我独尊で道を突き進むということもあるかもしれない。

その場に置かれた尊き命の堅持者たちに、正義と称した咆哮を向けるのが正解と言えるのであろうか。

トルストイは対局にある言葉をタイトルに使って、何を語ろうとしたのか。

そして、現代を生きる武を持つ人間たちは「戦争と平和」を単なる対語とだけ捉えているのだろうか。

かつての武将たちは天下統一が平和の終着点と考えていたのかもしれない。その間に起きる泥沼への想像を放棄し。

あるいはもしかしたら、直視しすぎてその混乱に快楽を得ていた、などとは考えたくはない。

それは現在起きている事実についてもそう思いたくない。

80年近くが過ぎた。全く尊い日々である。

ただ、少し離れた世界で起きていることを他人事として見逃している拙こそ傍観だけの正義の放棄者ではないか。

放棄を解くのは、平和な世界に生きられていることを強く感謝することに尽きると考えるのは唯我独尊であろうか。

今年も大いに野球ができた。近隣のちょっかいを無視する勇気を持てたことに感謝したい。そして、かの国を含めた平和を望む。