HOME > 殿堂選手リスト > 2020年 佐藤一喜
殿堂 佐藤
殿堂 佐藤
■ 冬空の下、第5世代の幕開け
殿堂 佐藤【写真】テスト生として打席に立つ佐藤

2度の大きなピンチを回避し、創立20年を間近に控えてさらなる発展を目指したいレイバンスを大きく成長させた立役者たち、それが後に「第5世代」と呼ばれる選手たちだ。薄い選手層が厚くなり、勝利という美酒に欲求が膨らみかけたチームにとって、第5世代の存在は決して外せない。その大きな柱が佐藤だ。
2013年2月17日、テスト生としてオープン戦会場に現れたその男は、素晴らしい体格とオーラを纏いながら最初の打席に立った。結果は見事二塁打。その時先頭打者でなければ打点も当然獲得していたであろう大当たりを魅せた。
そして3月10日、正式選手としてデビュー。1・2打席目はデッドボールで出塁。首脳陣に打撃能力をアピールできなかったが、すかさず盗塁や相手のミスをついての激走をみせるなど「足」の速さも披露した。


■ 芸術的な放物線で相手の心も撃破
佐藤の魅力はもちろん足だけではない。いやむしろ、その肉体から放たれる破壊力は多くのファンを魅了する。打った瞬間に放物線の行き先が分かるホームランは、球場を埋め尽くすファンを大いに沸かせるだけでなく、相手チームの選手たちの心を見事に破壊するのだ。
初年度は副業が多忙で出場もままならなかったが、安定してきた3年目の2015年は27試合に出場し、ホームランを8本も放った。もちろんこの記録は未だ誰にも抜かれていない(2020年現在)。そしてその年、チーム史上2人目となる通算10本塁打を達成。3年目での記録達成はもちろん史上最速だ。
2015年はその実力をいかんなく発揮し、本塁打王の他に首位打者・打点王と三冠を獲得し見事MVPに輝いた。佐藤の力量はそれだけにとどまらない。そこから2018年までの4年間、MVPを獲得し続ける前人未到の大選手に成長していった。

殿堂 佐藤【写真】放物線の先を見つめる佐藤
■ 野球を愛するこころがファンを魅了する
殿堂 佐藤【写真】幼いうちから野球英才教育
プライベートでも充実した生活を送り、2人の娘には、まだ幼いころから「野球」を教育。次なる世代への橋渡しの準備も着々と進めている。球団から絶大なる信頼を得ている要因は、もちろん選手としての成績もあるが、こうした球団への「愛」だ。レギュラー選手としての実力を保つための出場率は見事としか言いようがない。また、選手たちをサポートするための準備体操構築や合同自主トレなどで臨時コーチを買って出る様は、球団幹部のみならず、ファンの間にもその心が伝播している。野球道具への「愛」も忘れない。どのポジションにコンバートされても対応できるように、体力づくりとともにグローブもそれぞれオリジナルで揃え、バットに至っては毎年のように新作を買い、他の選手たちへの利用も促すなど、情熱に限界がない。

■ 健全な肉体は日々の努力から成る
熱い男は肉体改造にも余念がない。フィジカルを重視する関戸と並んでも遜色がない鋼の肉体からは、打撃のみならず投手としての実力も浮かび上がらせ、同期の山田が故障した際には登板も志願。走攻守そして投の野球人四種の神器を身体に染み込ませている。
2020年までの平均打率は3割6分7厘。しかも、8シーズンで4割を超えたのは実にその半分の4シーズンと、他を圧倒する成績だ。4年連続のMVPに恥じない実力の裏には、日々欠かさない筋肉トレーニングとチームへの愛情を盛り込んだイメージトレーニング、そして、情熱だ。

破壊的な打撃、見事な守備、そしてなによりチームへの献身。勝つことを使命とされたレイバンス第5世代の柱を担うにふさわしい活躍から、球団は2020年、佐藤に7人目の殿堂入りを発表した。
殿堂 佐藤【写真】鍛えまくった肉体を披露(左)
■ 俺がやる精神をチームに伝播
殿堂 佐藤【写真】チーム愛満載の野球グッズたち
天性の才能を持っていてもなお、慢心することなく努力を続ける佐藤は、殿堂入りについてこう語る。

「2020という節目の年に選出されて大変光栄です。
殿堂入りの現役選手として、来季以降のMVPをすべて奪う気持ちで、これからも頑張ります。
レイバンスは俺がやる!」

今後の更なる活躍に期待する。